「んで、本当は何処に行く気だったんだよ?」

ゼンが聞くとセヴィオは目線を斜め上にし考えながら言った。

「今日はテキトーに買い物するくらいかな」

「そっか~。暇じゃん」

「暇ではない」


魔王からの命令でセンジュに街を知ってもらう為に色んな店を覗くつもりだった。
しかしその事は伏せなければならない。
あまり知られたくなさそうなセヴィオの雰囲気を察したセンジュは話題を変える為に質問攻撃に切り替えた。

「ええと・・さっき学校って言ってたけどこの辺りの学校に通ってたの?」

「ああ。みんな故郷が同じでさ、ゼンとは幼馴染」


_魔界の学校ってどんな学校なんだろう!?ちょっと気になる!


「この街の西にある士官学校に行ってたんだ」

「しかん・・?」


首を傾げたセンジュの質問にセヴィオがすぐに教えてくれた。


「俺達は5歳になったら士官学校で教育を受けるんだ。兵士としてのな」

「兵士の学校・・」

「魔界には4つの士官学校がある。俺達はこの城下街にある王都立第一士官学校に行ってた」

「そうなんだ」


_そっか・・人間と違うのは、魔族は戦いが重視されているって事か。やっぱり平和じゃないんだ。そんな学校絶対行きたくないな。怖そう・・。


「センジュは魔界で暮らしてるのに何も知らなんだな。女子も学校には行くだろ?もしかしてめちゃくちゃ田舎者か?」

「え・・ええと・・」


ぎくり。
とゼンの言葉に心臓が跳ねあがったが、それをセヴィオがすかさずフォローする。


「こいつ、記憶も失ってるからな」

「え゛!??」


_記憶喪失設定追加!?私のキャラをどうするつもりなのセヴィオ!


「は?そりゃ可哀そうに、セヴィオが保護したって事かよ?」

「そゆこと。大橋の下で気を失ってて助けたんだよ。放置しても可哀そうだから連れにしたんだ」

「えええ・・っとぉ・・・」


_違う~~~~!!!けど何も言えないーーー!!!


センジュは必死に自分を押し殺した。