離れの火事がひと段落した所で、一人の部下が言った。

「アルヴァン様、ここは我々が処理いたしますので即刻お城へお戻りください」

「ああ、そのつもりだった。すまないが、半数はここに残り、もう半数は下手人を連れて一緒に城へ来てくれ」

「かしこまりました」


アルヴァンはセンジュの肩を抱きながら用意されている馬車へと向かった。

「歩けるか?」

こくりと静かに頷き、センジュは言葉を失ったまま促されるまま馬車へと乗った。



_こんな事になって・・パパにも・・なんて言ったらいいんだろう。フォルノスの言う通りなのかな・・私のせいで魔界が崩れて行くのかな・・?


拭っても拭っても、乾くことなく涙があふれてくる。
アルヴァンが渡してくれたハンカチでは間に合わず、ずっと袖を濡らし続けた。