それぞれの帰路についた頃、空はすっかり暗くなっていた。
…街灯ひとつも点いていない、いつも見る帰り道は、何だか今の私の気持ちを的確に表した様なものだった。
ほぼ、「無」と言えるこの場所で、
「…あーあ、私、唯香に全部奪われちゃった。…もう滅茶苦茶、だよっ…」
と、呟いた。
——その言葉は、悲しく、虚しく、暗闇に溶けていった。
…街灯ひとつも点いていない、いつも見る帰り道は、何だか今の私の気持ちを的確に表した様なものだった。
ほぼ、「無」と言えるこの場所で、
「…あーあ、私、唯香に全部奪われちゃった。…もう滅茶苦茶、だよっ…」
と、呟いた。
——その言葉は、悲しく、虚しく、暗闇に溶けていった。

