1年になって初めてのテストが近づいてきたある日のこと。 「志羽、テスト勉強は捗ってる?」 「……っ」 春哉くんと家から駅まで一緒に行くのが日常となり、今日もまた彼と並んで歩いていた。 そのときにテスト勉強について触れられ、思わずぎくりとしてしまう。 正直、まだ1年の最初だから大丈夫……と油断してしまっている自分がいるのも確かだった。 この高校に合格したのもギリギリだというのに。本当は危機感を持つべきところ。