この声の主は私の大好きな人のもので。 その優しい声音がさらに私の眠気を誘う。 これは夢なのか、現実なのか。それすらもわからなくなる。 「……志羽ー?起きないと手を出しちゃうよ」 「やだ、まだ寝たい……」 「へぇ、いいんだね?」 眠気に抗えず、ふたたび目を閉じると、ふと体が宙に浮くような感覚がした。 一切抵抗せずにいると、何か暖かなものに包まれる。 最初は心地が良く、徐々に意識が遠のいていったけれど。 直後、腰まわりに違和感を覚え、さすがの私も不思議に感じた。