図書室に春哉くんがいて、一時はどうなるかと思ったけれど、怪しまれることなくテスト勉強を終えることができた。 「志羽」 「……え」 電車に乗り、家の最寄りに着いて改札を通ったときだった。 春哉くんの声が聞こえてきて顔を上げると、改札の近くで彼が立っていたのだ。 「春哉くん……!待ってくれていたの?」 春哉くんたちは私たちよりも先に帰ったはずだ。そのため、わざわざ待ってくれていたのかと期待してしまう。