魔法に囚われて〜誘拐されて溺愛されてます〜 II

「レン……ユーゴ様……フランチェスカ……」

楽しかった思い出を浮かべ、ジュエルは涙を浮かべる。庶民と国王など身分があまりにも違いすぎて、おまけにこの恋の始まりは誘拐だった。それでも、ユーゴの愛に触れてジュエルはユーゴを好きになってしまった。

「せめて、この想いを伝えておきたかった……」

後悔はたくさん浮かんでくる。そして願い事も増えていく。

「助けて……」

その小さな呟きが届くことなどない。使用人たちはみんなパーティーのため忙しく動き回っている。レンは前国王陛下たちと招待客に挨拶をしているのだろう。ユーゴはパーティーの主役のため、もっと忙しいはずだ。

大切なパーティーに出席しないパートナーなどあり得ない。ジュエルがこのパーティーに姿を見せなかったらジュエルは「非常識」と罵られていく。それどころかユーゴやレンも悪く言われてしまうのだろう。

「クリスティーナ様の言う通りね。私はユーゴ様とは不釣り合いで、離れるしか……」