数時間前までの私はもういない。すぐに終わると思ってた楽観的な私は今ではこんなに震えている。息が詰まる。

「お待たせしました」

飲み物が届いた。温かいコーヒーだ。震えて受け取ることも出来ない。左手で右手の手首をおさえてゆっくり受け取る。口に運ぶ事も難しい。

次は誰が殺されるのだろうか、そんなことで思考うは埋め尽くされる。もしかしたら自分かもしれない、吐きそうだ。

死にたいとは思っているが、死ぬのが怖く無い訳ではない。誰かに生死の決定権を取られるなんて想像を絶する恐怖だ。これが自ら命を捨てた私への罰、それとも私の妄想、夢、何度目を見開いても冷めない。やはり現実のようだ。これが現実、まだ信じられない。だがさっき起きた事は鮮明に瞼に焼き付いている。悲鳴と血しぶき脳裏にしっかり残っている。

恐怖。恐怖。恐怖。それしかない。このまま投票に行かなっかたらどうなるのだろう、皆怖く無いのだろうか、私は立ち上がることも出来ない。大きく深呼吸をする。

このまま投票場に行かなければ印象薄くて入れられなくて済むかもしれない、いや、逆に上手く先導されて私が狙われるかもしれない、どうする事が吉だろうか、とりあえず落ち着かなければならない。