秋の少し強い風が黄色く色づいた銀杏並木を揺すった。
 金蓮教の若手セミナーの帰り道。那智夫は初対面のみさきを見つけると、喫茶店にさそった。
 コーヒーのかおりにつつまれた店内。ジャスピアノのLPがゆったりと流れていた。
 最初は、セミナー終了後の高揚感か、金蓮教の未来、若手である第4世代のあり方について語った。
 しかし、那智夫の目的は初めから決まっていた。