「今どこ?」 壱の横から漫画を覗きこんで、場面を確認して。 「あーめっちゃいいとこじゃん!」 「いいとこ?どこが?」 「壱には分かんないだろーなー、このちょっとずつ距離が縮まっていく感じがいいの」 「展開が遅いだけ…」 「だからそれがいいんじゃん!」 隣で力説した時。 「よくねーよ」 壱は呟くと、漫画をぽいと放り投げた。 おいこら、理沙子に怒られるぞ? そう言おうとした瞬間には、 そう、もう、この体勢になっていた。 そして、ボウトウに、モドル。