会長。私と恋のゲームをしてください。

「だから、生徒会のことを悪く言わないでくださいっ」



私の声が廊下に響く。

涙がこぼれそうになるのを必死で我慢する。

唇を力強く噛む。


耐えるんだ、私。

ここで泣いちゃダメだ。


分かっているのに。

涙がこぼれそうだよ。


そのとき。

ふっと、体が温かいものに包まれた。



「会長……?」



会長が、私を抱きしめている?

こんな大勢の生徒の前で?

なんで……。



「生徒会書記は、」



会長の声が振動となって、私に伝わってくる。

抱きしめる力が強くなった。



「確かに仕事遅いし、まだ不慣れなところもある」



会長は私を抱きしめたまま、片方の手で頭を撫でてくれる。

まるで、私に言い聞かせるように。



「だけど、誰よりも一生懸命だ」



“一生懸命”。


その言葉が、心に響く。


見ていてくれたんだ。

そう思うと、涙がこぼれてしまった。

止まらない涙は、会長のワイシャツを濡らしてしまう。