会長。私と恋のゲームをしてください。

「……終わった」



積んであった資料が全てパソコンにデータとして入った。

壁に掛けられている時計を見れば、夜の7時半。

生徒会室の蛍光灯が眩しく感じる時間帯だ。



「終わったか?」

「あっ、はい」



会長に目を向ければ、既に仕事を終えていたようだった。


もしかして私のことを待っていてくれたのかな……?


そう思うと、少し嬉しくなる。



「お前が終わらないと、俺が帰れねぇ」



……本日二度目の前言撤回。

会長に優しさなんてなかった。

私のデータ入力が遅いと遠まわしに言われているようにしか思えない。

仕事の遅い私が悪いといえば悪いんだけど……。



「ありがとうございました」



会長にお礼を言うなんて嫌だけど。

手伝ってくれたから、『ありがとう』くらいは言いたい。

まあ、会長のことだから『感謝しろ』とか言うんだろうな。


そんな答えを想像して待つ私に返ってきた言葉は、意外なものだった。