会長。私と恋のゲームをしてください。

教室のスピーカーからアナウンスが流れる。



『2日間、全力で楽しみましょう。文化祭スタートです』



会長の声がスピーカーから聞こえた。

盛り上がるクラスメイトたち。

いよいよ文化祭がスタートだ。


お客さんが流れるように教室に入ってくる。

衣装に身を包んだ私たちは、接客や調理に大忙しだった。


『かわいい』や、『かっこいい』の言葉が教室のあちこちで聞こえる。

衣装作り頑張ってよかったね、と里穂ちゃんと微笑む。



「そういえば」



里穂ちゃんが忘れていたことを思い出したように声を上げる。



「美雪ちゃんと会長って、どういう関係なの?」



里穂ちゃんのストレートな質問に、持っていたトレーを落としそうだった。



「その反応、付き合っているとか!?」



顔が赤くなっていくのが分かる。

こんな直球に聞かれたことなんてないから、どうしていいのか分からず、頷くことしかできなかった。



「ほんとに!?」

「うん」



こそこそと話していると、クラスメイトから呼ばれる。

教室を見渡せば、大繁盛していた。



「あとで話聞かせてね!」



楽しげに笑った里穂ちゃんは、接客に向かっていった。