会長。私と恋のゲームをしてください。

「美雪ちゃんの衣装確認、私がするね!」



メイド服に着替え終わっている里穂ちゃんが、デビル衣装を持って私の手を取る。



「里穂ちゃん、かわいい」

「あははっ。ありがとーっ」



照れくさそうに笑う里穂ちゃん。

メイドさんのコスプレ衣装がよく似合っている。


私は里穂ちゃんと教室の一角にある、手作り女子更衣室に入った。

里穂ちゃんからデビル衣装を受け取った私。



「後ろ向いているから、着替えられたら教えて!」

「うん!」



私は、制服を脱いでデビル衣装に袖を通す。

やっぱり、スカート丈が短いのは気になるけど、サイズとかはバッチリだった。

チョーカーもつけたら、着替え終了。


手作り更衣室には鏡がないから、自分がどうなっているのかは分からない。

似合っているのか分からないまま、里穂ちゃんに声をかける。



「着替えたよ……」



その言葉を合図に、里穂ちゃんが振り返る。



「かわいい! かわいすぎる!」



大きな声で叫んだ里穂ちゃん。

その声は教室中に響いただろう。

最後にカチューシャをつけて、引っ張られるように更衣室を出た。


更衣室から出た私たちに集まるクラスメイトの視線。



「北澤さん、似合いすぎ!」

「小悪魔ガールだね!」

「あとで一緒に写真撮って!」



私を囲んでくれるクラスメイトたち。

興奮気味のクラスメイトたちを制したのは里穂ちゃんだった。



「メイクが終わったら、写真撮影していいよ!」



……恥ずかしさしか出てこない。