会長。私と恋のゲームをしてください。

その姿を見てしまったら、何も言えなくなる。


私だって。

私だって……。



「会長が他の女の人と話しているところを見ると、もやってします」



会長とは学年もクラスも違うから、会長が1日をどう過ごしているかなんて分からない。

会長は優しいから、女の人に話しかけられたら笑顔で返すんだろう。

重たい荷物を代わりに運んだりしているかもしれない。

隣の席の子が教科書を忘れたら、そっと見せているのかもしれない。


そう考えると、いつも胸が苦しくなるんだ。


なんで、会長と同じ学年じゃないんだろう。

違うクラスなんだろう、って。


だけど、それはどうすることもできないんだ。

どう頑張ったって、変えられないことなんだから。



「……ずっと、私だけ見ていてもらえるように、頑張ります」



へらり、と笑う私。


ずっと、会長の隣にいたいから。

会長の“特別”な存在でいたいから。

会長の手のぬくもりを、ずっと感じていたいから。



「ばか」



会長が私を引き寄せ、抱きしめる。



「会長!? ここ、通学路ですよ!?」

「抱きしめたくなった」



会長の胸に大人しく顔をうずめる私。

そんなこと言われたら、なにも言い返せなくなっちゃう。


私の頭の上に、会長の顔が乗る。

小さな子供をあやすように、髪の毛をなでられて。


時間が止まればいいのに。

そう願ってしまう。