会長。私と恋のゲームをしてください。

「私たちのクラス店、コスプレ喫茶じゃん?」

「そうですね」

「美雪ちゃん、抵抗とかないの!?」



クラスメイトに初めて名前で呼ばれた……。

そのことが嬉しかった。

嬉しさがあふれて、思わず笑顔になる私。



「コスプレには抵抗はあるけど、楽しみたい気持ちが強いから」



縫う手を止めて、彼女へ顔を向けると、彼女は目を見開いていた。



「美雪ちゃんも笑うんだ……」

「え?」



思わずこぼれた言葉に、ハッとしたのか手で口元を押さえる彼女。

それから数秒後。



「ごめん。美雪ちゃんの笑ったところ見たことなくて」



確かに、教室で笑ったことはあまりないかもしれない。



「どんな子なんだろう、って気になっていて。声をかければよかったんだけど」



思いを伝えてくれる彼女。

その気持ちが、すぅーっ、と心の中に入っていく。



「私の名前を覚えていてくれているのかな、って思う自分もいて、話しかけられなかったの」



ぎこちなく微笑む彼女に胸がぎゅっとなった。


今まで私は、クラスメイトと仲良くなることなんて出来ない、って思っていた。

だから、クラスメイトの名前も覚えようとしなかった。