突然の私の行動に、目を見開く会長。

思わず、自分からキスしてしまったけれど、大丈夫だっただろうか。


会長に触れたいと思ったから、キスしたけど……。

今更ながらに、会長の反応が怖くなる。


会長を見てみれば……。

顔が赤くなっていた。

耳まで真っ赤になっている。

その顔を隠すように、左手で顔を覆っているけど、その姿さえ愛しい。

そんな姿が可愛いと思ってしまう私は重症ですか?


はあ、と、ため息をつく会長。

顔を覆っていた左手で、きれいにセットされている髪の毛をわしゃわしゃと、かき乱す。


会長が一歩、私に近づく。

その距離の近さに、ドキッと心臓がはねる。

会長の顔がゆっくり近づいてくる。


近いっ!


キ、キスされるのかな。


私は思わず目をぎゅっと閉じる。

だけど、唇に触れるものはなくて。

その代わり、耳元で、吐息まじりの甘い声でささやかれた。



「お前、可愛すぎ」

「えっ……」

「他の奴にとられそうで怖くなる」



そう言って会長は私からゆっくり離れる。

かぁっと熱くなる私の全身。

会長が甘くて、頭がくらり、としそうだ。

体が熱すぎて、なんだか照れくさくて、恥ずかしくて、会長の顔なんて見ることが出来ない。


だけど、会長に伝えたいこと。