会長。私と恋のゲームをしてください。

「生徒会を敵にまわすとか……」

「せ、生徒会書記に謝れよ」

「人を騙すとかサイテーだな」



野次馬生徒たちの非難の的は私から、3年生の2人組みに移り変わっていた。


ひどい。

人を陥れることはやってはいけないことだと思う。

だけど、関係のない人たちが攻撃の的を変えていくことも同じくらいやってはいけないことだと思う。


思わず口を開きかけたそのとき。



「私の言葉が伝わっていないようね」



彩菜先輩が呆れ半分、怒り半分の声をあげる。



「……自分の品格を、自分で落とすことの愚かさを学習していただきたいわ」



固まる野次馬生徒と、2人組みの3年生。

見ている私も、彩菜先輩の静かな怒りに凍えてしまいそうだった。



「人を攻撃するということは。……そうね」



彩菜先輩は私の前に立っているから表情が読み取れないけれど。

きっと、きれいな顔を保っているんだろう。

だけど、視線は冷たくて。


それは、この学校の生徒たちに伝えたいことがあるからこそなんだろう。