会長。私と恋のゲームをしてください。

今日は会長より早く家を出た。

また下駄箱が荒らされていたら、片付けなきゃいけないし。


教室の机の中。

ロッカーの中。


何も変わっていないことを願う。


学校に近づけば近づくほど、心臓が嫌な音を立てる。

朝の時点では大丈夫だと思っていた。

いじめなんかより、昼休みのためにエネルギーを使おうと思っていたのに。


今はすごく怖い。


今日は何が起こるのか。

校門をくぐると、登校してきた生徒の姿が見える。


いやでも視線を感じた。

それは冷ややかな視線だった。


足がすくむ。

このまま帰りたい。

帰りたいけど帰れない。

逃げちゃダメ。


私は鉛のように思い足を、一歩ずつ前に出した。


私に挨拶してくれる人なんていない。

私も挨拶する相手なんかいない。

今はそれでもいいや、なんて思ってしまう私は感覚が麻痺しちゃったのかな。


昇降口に入り、自分の下駄箱の前に立つ。

上履きだけ残っていて欲しい。


そう願って下駄箱を開ける。