会長。私と恋のゲームをしてください。

「会長は何もしてないよ」

「でも、この写真は事実でしょ?」

「そうだけど! それより、なんでこの写真が全校生徒に広まっているのかだよ!」



静かになる公園。

勢い任せに発した言葉だったけど、冷静に考えればおかしい。


この写真が撮られた場所。

全校生徒に写真を広めるための権力。

それを持っている人物……。



「宮野か」



会長が呟いた。


彩菜先輩……。

確かに、あの場所には彩菜先輩がいて。

全校生徒の情報を手に入れることが出来るのも、先生か……。

生徒会のメンバーだけだ。



「春馬。仲間を疑うのか?」



理樹くんが怒り交じりに言う。

その手は会長の胸ぐらを掴んで震えていた。



「宮野以外に考えられない」



私もそう思った。

写真を拡散した犯人の条件に当てはまるのは、今のところ彩菜先輩だけ。


……でも。



「宮野さんは、こんなことするタイプじゃないだろ」



……うん。

この意見については、理樹くんに同感だ。


彩菜先輩のこと怖いと思ったし、疑う要素は十分にある。

だけど、彩菜先輩は、そんな汚い手口は使わないと思う。