会長。私と恋のゲームをしてください。

「こうなった原因は、春馬なの?」



思いがけない理樹くんの言葉に私はびっくりした。

理樹くんも彩菜先輩と同じ考えなのかな。

私がいじめにあっているのは、会長のせいだと思っているの?


それは違う。

否定しなきゃ。

言葉に出したいのに、言葉にすることは出来なかった。


だって。

理樹くんの肩越しに見えたのは、公園の入り口でこちらを見ている会長の姿があったから。



「か、いちょう……」

「え?」



私の呟いた言葉に反応して、理樹くんは振り返る。



「春馬……」



会長がゆっくり、私たちのところへ近づいてくる。

その顔は逆光で見ることが出来なかった。

だけど、いつもの雰囲気と違う。

それだけは分かった。



「おい」



会長の低い声。

理樹くんが私からゆっくり離れる。

私はどうしていいのか分からず、ブランコに座ったまま固まってしまった。



「春馬」



理樹くんが会長の名前を呼ぶ。

会長の視線が、私から理樹くんへと移る。

2人が放つ雰囲気は、いつもの優しい雰囲気と違った。