会長。私と恋のゲームをしてください。

「なんでもないわ」



お母さんが再びスプーンを手に取る。


なんでもないって……。

なにかあるから、大家さんのところへ行ったんじゃないの?


問い詰めたいのに、お母さんはこの話は終わり、というような雰囲気を出している。


これ以上は聞けないかな……。


私は諦めてスプーンでカレーをすくう。


うん。

美味しいけど、辛い。

いつも甘口にしてくれるのに、今日は中辛みたいだ。

お母さんが辛さを間違えるなんて、なにかあったんだろうな。


そう思いながらも、聞けない雰囲気に私は負けた。