会長。私と恋のゲームをしてください。

顔に熱が集まる。

自分でもよく分かる。


恥ずかしい。


そう、思っているのに。



「顔、真っ赤だな」



額と額が離れて、会長は意地悪く言う。



「自分でも、分かっています……」



精一杯の返しだった。

顔が真っ赤になっていることは自分でも分かっているから、反論することもできなくて。

認めることしかできなかったから。


うつむく私に、会長は再び顔を近づけてくる。

会長の顔は耳元で止まって。


そしてささやいた。



「可愛い」



って。


その一言を残して、会長は姿勢を戻す。


可愛い、って言われた。

会長にとったら、なんてことない言葉かもしれない。

だけど、私にとったら、大切でドキドキしてしまう言葉なんだ。



「そういや、明日のことだけど」



ドキドキが収まりきっていない私に気づいてか、気づいてないのかは分からないけれど、会長は話を進める。