会長。私と恋のゲームをしてください。

ベッドに寄りかかりながら、ぼーっと天井を見つめる。


“会長が好き”


頭の中をぐるぐると回る。

私が“ファイツ”をやめようって思うなんて相当好きなんだなぁ、なんて思った。

そのくらい会長には魅力がある。


優しいところとか。

笑ったときの笑顔とか。

ときどき意地悪なところとか。


私の知らない会長をもっと知りたくなる。

もっと、私に教えてって思う。


私ってこんなにも欲張りだったっけ?


ああっ、もう!

考え出したら止まらなくなるっ!


うー、とか、あー、と、ひとりでうなっていると。


コンコン。

扉がノックされた。

私は慌てて姿勢を戻した。



「はいっ」

「俺だ。……入っていいか?」

「えっ、あ。はい!」



ゆっくりと扉が開き、会長が部屋に入ってくる。

会長が部屋に来るのは初めてだ。


なにかあったのだろうか。

そう思っていると。



「ふっ、」



吹き出すような笑いが聞こえる。

見れば会長はお腹を抱えて笑っていた。