会長。私と恋のゲームをしてください。

「ただいまー」



生徒会としての仕事が終わり、アパートの家に帰れば既に8時。



「おかえり。遅かったわね」

「うん。生徒会の仕事が長引いて……」



玄関で靴を脱いでいる私を迎えてくれたのは、エプロン姿のお母さん。



「今日のご飯はカレーライスよ」

「食べる」



私は手を洗ってからリビングの隣にある自分の部屋へと向かう。

制服から部屋着に着替えた私は、ゲーム機を手に取る。

普段ならゲームをやっている時間だ。

だけど、今日は鬼会長のせいで帰るのが遅くなってしまった。


これからご飯を食べて、お風呂に入って……。

それからゲームをしよう。


私はゲーム機を机の上に戻して、リビングへ向かう。

テーブルの上にはカレーライスが、美味しそうな匂いを漂わせながら置いてあった。


私とお母さんが椅子に座る。



「いただきます」



手を合わせて『いただきます』と、言うのが私たち家族のルールだ。

それからスプーンを手に取り、食べ始める。



「そういえばお父さんは?」



食卓にお父さんがいない。

いつもだったら家族3人でご飯を食べるのになぁ。


なんとなく疑問に思ってお母さんに聞いてみたけれど、返事が返ってこない。

お母さんの顔を見れば、険しい顔をしていた。