会長。私と恋のゲームをしてください。

「会長として当たり前だろ」



会長は席を立って、ドアへと向かう。

その姿をぽかんと眺める私。



『当たり前だろ』



その言葉をすらりと言える会長は、もしかしたら優しいのかもしれない。



「早く帰るぞ」

「はいっ」



私は、自分の鞄を肩に掛けて席を立つ。


生徒会室を出た私たちは、校門のところで別れた。


上を見上げれば、夜空に星が輝いていた。

5月の爽やかな風が通り抜けた。