ガムシャラに髪をドライする私を、翔ちゃんは黙って見ていた。 「……雑だな」 「ちょっと黙ってて?」 なんか無性に反抗したい気分。 「それじゃ髪傷むよ」 「なんで翔ちゃんがそんなこと気にするのよ」 「俺って意外と女子力高いから」 「そんなの知らないし」 「会話終わったじゃん」 ……気まずい沈黙。 「テレビでも見てれば?」 「えー、つまんない」 普段はわたしの相手なんかしてくれないのに、なんで今?