でも。 「一瞬でビショビショだぁ」 ほんの数分でほんとにお互いずぶ濡れだった。 私達を戒めるみたいに降った叩きつけるような大粒の雨は、もうあっけなく上がってしまってた。 「俺はいいんだけど……はぁ、マジかよ。いちばんの難所じゃん、ゲリラ豪雨め」 「難所?」 「いや、なんでもない」 翔ちゃんの顔が赤い。空ばっか見てる。 かき氷は中止。もしくは延期。 いやそんなこと、もうどうでもよくなってた。