「美緒ちゃん寄り道して帰ろ、すんごいイケメンバリスタがいるカフェがあるんだって!みんなで見に行かない?」


それからの時間はひたすらぼんやり過ごした。気づいたらもう放課後で、華世ちゃんの誘いも右の耳から左の耳に抜けていく。


だって外はいつの間にかポツポツ雨が降り出していたから、そっちが気になってしまって。


「華世ちゃんごめん、私今日居残り決定なんだ。小テスト撃沈しちゃって。ほんとごめんね」

咄嗟に嘘をついてしまった。

「えー、残念。しかも私傘ないや!」

「傘なら貸すよ。実は2本持ってんだ」

私は華世ちゃんに自分のドット柄の折り畳み傘を手渡した。


「ほんと?なら借りるね。小降りの今のうちに帰るかな。美緒ちゃんファイト!もう赤点取るなよぉー」


華世ちゃんはいたずらっぽく笑って、
クラスの子と行ってしまった。