30歳のクリスマスソング

   昨日は明け方まで小説を書いてて
       寝たのは朝の6時過ぎ。



    それで爆睡していると
    いきなり部屋の(ふすま)
      爆音とともに開ける奴。



「姉ちゃん、母ちゃんが呼んどるけん!起きいな!」



「…」



     また無視かよ。この女。



「それにしても汚ねえなあ。足の踏み場も無いってこういうのを言うんやな」


  そう文句言いながら
   洗濯してもらった服や下着や
  読みかけの雑誌の上を恐る恐る歩く弟。



「ほら!起き!」




  そう言ってアタシのお尻を()るのは
       長男の一太、
     近くの焼き鳥屋で働いてる。



  寝相(ねぞう)が悪いのもアタシの欠点。


        良いトコは?


     そんな質問されても困る。
      そんな女がアタシ。



   結婚やましてや恋すら無理。
  心のどこかではそんなことを
   何処かの誰かが言っている。
   そんな気がする。




    だから9割以上は諦めている。