東京ルミナスピラー

信念……か。


聞こえはいいけど、それを唱えることで縛られる呪いのようにも思えてしまう。


俺の願いは、バベルの塔に登って、何事もなかった元の世界に戻すことだ。


その為に何をしなければならないのかなんて、朧気ながらにしか見えていなかった。


「あの、吹雪さん。ちょっと俺のわがままを聞いてもらっていいですか?」


「なにさ、いきなり良い顔で。言ってみなよ」


「俺が一人で乗り込みます。だからサポートをしてほしいんですけど」


俺がそう言うと、皆黙って視線をこちらに向けた。


何を馬鹿なことを言っているんだという視線と、捕まる可能性があるなら一人で乗り込むのもありかという視線が混じっている、微妙な空気。


「一応聞いてあげるけどね、どんなサポートをすればいいのさ。それに一人でって、西軍の葵が単独で戦って、意味があるのかね? さっきみたいな潜入とは違うんだろ?」


北軍のことは北軍の人間が。


本来これは、吹雪さんや父さんが片付けるべき問題なのだろうけど、そうじゃない。


もっと根本的なところで、俺は是松と話をしたいと思ってる。


一人の人間として、是松美智という人と。