東京ルミナスピラー

と、同時に、壁に張り付いて息を潜めていた親父さんが男に飛び掛かったのだ。


捕縛の鎖で首を絞めるように腕を回して、一気に絞め上げる。


「ヘイヘイヘイ! 俺の迫真の演技に騙されたみたいだな! おっさん、一気に落としちまえよ!」


そう、単純だけどこれは俺達の作戦だった。


杉村が倒れた振りをして、親父さんがドアの後ろに隠れるように、壁に張り付いて待機。


俺が大声で騒いで人を呼ぶというわけだ。


だが、この作戦には不安要素が一つあった。


「ぐぐ……き、貴様ら! 捕虜の分際でいい気になりやがって! ぶっ殺してやる!」


そう、武器を出していなければ普通の人間でも、一度武器を出してしまえば、それがどんなにレベルの低い武器でも俺達では太刀打ち出来なくなってしまうということだ。


男が取り出した武器は鎌。


それも、草苅り鎌程度の大きさだったが、俺達にとってはまるで拳銃でも突き付けられたような気分だ。


「今だ! やれ! 葵!」


そんな危険な状況に陥ることさえ、作戦に練り込んだのだ。


俺は腕を自ら、男の鎌に持って行って……そして、捕縛の鎖に当てたのだ。