東京ルミナスピラー

「おやおやこれは……待機してた甲斐があったかもね。北軍浄化会のやつらは、揃いの白い布を着てるわけだろ? なのに今の女はそうじゃなかった。それに門番のあの態度……あいつが教祖なんじゃないのかい?」


そう決め付けるのは早過ぎると思われるかもしれないが、「バベル」を駆け抜けた吹雪にはある種の確信のようなものがあった。


「そうかもしれないけど、決め付けるのは危険じゃないですか?」


「考えてもみな。あの信者達が、あんなにペコペコ頭を下げるやつなんて、余程の地位にいるやつだろ。そして、こういう集団で、あんな自由が許されるのは……トップしかいないって相場が決まってるんだよね」


一般的な考えで言えば、それは何の理由にもなっていないだろう。


だが吹雪は、その常人の理屈とは違う次元で感じ取っていた。


「それに、顔を見られたところで大丈夫なくらい強いから、ああやって素顔で出歩くんだろうね」


結論から言えば、この女性は北軍浄化会の教祖である是松美智だったが、拓真は知り合いでも、吹雪はほとんど面識がなかったから顔が変わっていることには気付かなかった。


「是松美智。強さはそれなりなのに教祖か。数値に現れない何か特別な力があるってことですかね」