~一時間前・龍刻寺周辺~
葵が侵入して一時間。
吹雪達はろくに身動きが取れずに、屋上でどうするかを考えていた。
仮のアジトで待つ舞桜に一応連絡は入れたものの、未だ解決策はなし。
「吹雪。どうするつもりなんだ? いつまでこうしていればいいんだ?」
葵が戻って来ないという事実が、蘭子から落ち着きを奪い、今にも突入してしまいそうなほどの焦りを生み出している。
「気持ちはわかるけどね。考えてみなよ。あの葵が、音も立てずに消息不明になっちまうんだよ? 迂闊に飛び込んだら、私達まで同じようになるかもしれないって考えるべきだ」
何とか侵入する隙を見付けようと、ずっと寺を見張っていた吹雪だったが、なぜ葵が消息不明になったのかもわからず、手の打ちようがないというのが本当のところだった。
いくら正体がわからないように、ヘルメットとライダースーツを着ているとは言え、手が出せないならそれも何の意味もない。
「あ、ねえ吹雪さん。誰か出て来た。何あの人……白い布被ってないけど」
夕蘭が指さした、寺の門の辺り。
そこに、身長の高い、整った顔立ちで黒髪の女性がいたのだ。
見張りの信徒達が頭を下げたその女性を見て、吹雪はヘルメットの下でニヤリと笑った。
葵が侵入して一時間。
吹雪達はろくに身動きが取れずに、屋上でどうするかを考えていた。
仮のアジトで待つ舞桜に一応連絡は入れたものの、未だ解決策はなし。
「吹雪。どうするつもりなんだ? いつまでこうしていればいいんだ?」
葵が戻って来ないという事実が、蘭子から落ち着きを奪い、今にも突入してしまいそうなほどの焦りを生み出している。
「気持ちはわかるけどね。考えてみなよ。あの葵が、音も立てずに消息不明になっちまうんだよ? 迂闊に飛び込んだら、私達まで同じようになるかもしれないって考えるべきだ」
何とか侵入する隙を見付けようと、ずっと寺を見張っていた吹雪だったが、なぜ葵が消息不明になったのかもわからず、手の打ちようがないというのが本当のところだった。
いくら正体がわからないように、ヘルメットとライダースーツを着ているとは言え、手が出せないならそれも何の意味もない。
「あ、ねえ吹雪さん。誰か出て来た。何あの人……白い布被ってないけど」
夕蘭が指さした、寺の門の辺り。
そこに、身長の高い、整った顔立ちで黒髪の女性がいたのだ。
見張りの信徒達が頭を下げたその女性を見て、吹雪はヘルメットの下でニヤリと笑った。



