東京ルミナスピラー

是松は思い出していた。


大体の男は、まず身体を見て鼻の下を伸ばし、その後に顔を見て冷めた表情になる。


だが、拓真は顔を見て冷めるどころか、危険だと手を引いてくれたのだ。


そして、笑顔まで向けてくれたのだから、是松にとっては白馬に乗った王子にでも見えたのは当然のことだったのかもしれない。


「まあ、なんて呼ばれてようと関係ねぇよ。俺の中でお前は『美智』だし、今の顔でも前の顔でも変わらねぇよ。大事なのはここだからな!」


ニヤッと笑って、自分の胸を親指でさした拓真に、是松は手で口を覆い、目を潤ませた。


もう、拓真が何を言っても是松の好感度は上がり続ける一方だ。


当然、拓真はそういうつもりで言ったわけではなかったが。


「拓真さん。一つだけ、お願いをしてもいいですか? 隣に……座らせてください」


是松の言葉に、小さく首を傾げた拓真だったが、少し右にズレて長椅子の座面を叩いて「いいぜ」と呟くと、是松は嬉しそうに立ち上がって拓真の隣に座った。


そして、そっと拓真の肩に頬を寄せたのだ。


「好きです……好きです拓真さん。ずっとずっと好きでした。あなたがいたから、私は今まで生きて来られたんです」