東京ルミナスピラー

「その簡単なことをあんたがしたから、警戒されてたのかもしれないけどね……」


長い髪を手で払い、自慢げにそう言った舞桜に対して、吹雪は首を横に振ってため息をついた。


どうやらこちらも、葵達と同じく策がない状態のようで、今から作戦を立てようとしていた。


「アホらし。だからそんな面倒なやつらは放っておけって言ったんだよ。舞桜がちょっかい出すから、そいつらも怒っただけだろ?」


ポンポンと舞桜の頭に手を置いて、気だるそうに拓真がそう言うと、舞桜は頬を膨らませて。


「うるさい! 拓真嫌い!」


「ほらほら、そんなに怒ると可愛い顔が台無しだぞ?」


膨れた舞桜の頬をつついて、拓真は入り口に向かって歩き出した。


「で、拓真くんはどこに行くつもりなのさ。北軍浄化会のアジトなら、龍刻寺だよ。善吉医院の」


「ありがとさん。でもハズレ。ただのデートだよデート。北軍浄化会ってやつらは、吹雪さん達でどうにかしてくれよ」


そう言って手を挙げ、店から出て行った拓真を見て、舞桜はますます不機嫌そうに。


「拓真は誰とデートなんだ! あんなに嬉しそうに!」


「ん? あれ? もしかして舞桜……拓真のことが?」


「拓真嫌い!」


作戦を立てることを忘れ、ついつい色恋の話に傾いてしまう吹雪だった。