東京ルミナスピラー

「なにっ? 津堂だと?」


その声を出したのは杉村じゃなかった。


ずっと俺達に背を向けて寝ていた男性が、俺の言葉に反応したのだ。


「ヘ、ヘイヘイ! 今までずっとだんまりかと思ったら、何いきなり声を出してんだ! ビックリしたじゃねぇかよ!」


杉村が驚いている間に、ゆっくりと身体を起こして振り返ったその中年男性。


「ふん。どこの間抜け共かと思って黙って聞いてたら……まさか宗司のお連れさんとはな」


宗司のことを知っている?


いや、かなりやつれているけど、その顔を俺は知っている。


一度会ったきりで、それっきりだったけど、こんなところにいたのか。


「宗司の……親父さん」


「ふん。宗司は俺を嫌ってるみたいだがな」


そう、間違いなくそれは宗司の父親の、秋本雄聖だったのだ。


暴走する父さんから助けてくれた、北軍の猛者だ。


「ってことは……秋本かよ。強い強いって話には聞いてたけど、こんなにあっさり捕まってるんじゃ、大したことないんじゃないのか?」


「俺だってさっぱりなんだよ。目が覚めたらここに閉じ込められてたんだ。俺がねぐらにしてた場所が、わけのわからんやつらに占拠されてるしな」