東京ルミナスピラー

「だから……俺はあんたのことなんて……」


「まだわからないなんてね。これじゃあ顔を見せても私のことなんてわかるはずがないか」


そう言って、頭に被っている白い布を取った教祖。


ゆっくりと露になるその素顔は……男なら生唾を飲むほどに整っていて、可愛いと美しいが共存する、芸能人くらいしか見たことがないような綺麗な顔だった。


当然、俺の記憶の中にはこの顔と一致する人はいない。


と言うか……普通の男なら、この顔とスタイルだけで骨抜きにされるだろうな。


「その何もわからない顔……最高だね。わかるはずないよね。だって私は生まれ変わったんだもの。あの人が私に美貌と力を与えてくれたのよ。まあ……このスタイルは自前だけどね」


「だったら、その顔は自前じゃないってことか。抜群のスタイルなのに不細工だったってわけだ」


俺が笑ってそう言うと、教祖は文字通り見下すような目で俺を見て、無言で顔面に拳を打ち付けた。


ゴツッと鼻から音が聞こえて、強烈な痛みが走る。


「調子に乗るんじゃないよ。私の苦しみなんて知らないくせにさ。あんたにわかるかい? 顔を隠されて、男に身体を使わせることで生き延びて来た私の地獄のような苦しみをさ! 誰も私を愛してなんてくれなかった! 道具としか見られなかった苦しみがわかるかい!?」