いや、宗司だけじゃない。
父さんも、少し前の俺も、灯の死に囚われたまま生きているんだ。
人は、そう簡単に人を忘れることなんて出来ないってことだよな。
「葵はどうなんだ? その……灯がいなくなったのに、どうやって立ち直ったんだ?」
言葉を選んでくれたようで、それからも蘭子が気を遣ってくれているのがわかるな。
「正直、立ち直ってないかもしれない。俺はさ、全部なかったことにしたいのかもしれないな。あの塔に登ってさ、願いを叶えるんだ。こんな悲劇はなかったことにって。だから、悲しむのはそれが出来なかった時にしようって思う」
「葵……」
バベルの塔を見上げて、そんな話をしていると夕蘭がやって来た。
吹雪さんも一緒に、ビルの上から降ってくるように。
「お待たせお待たせ。いやあ、夕蘭ちゃんを見付けるのに手間取ってさ」
「だって、こんなに早くに呼ばれるなんて思ってなかったから。近くにあったお寺の中にいたよ」
夕蘭はいきなり寺に踏み込んだのか。
そこがもしも北軍浄化会のアジトだったら大変なことになってたぞ。
実際、信徒達はとんでもなく危険だったからな。
父さんも、少し前の俺も、灯の死に囚われたまま生きているんだ。
人は、そう簡単に人を忘れることなんて出来ないってことだよな。
「葵はどうなんだ? その……灯がいなくなったのに、どうやって立ち直ったんだ?」
言葉を選んでくれたようで、それからも蘭子が気を遣ってくれているのがわかるな。
「正直、立ち直ってないかもしれない。俺はさ、全部なかったことにしたいのかもしれないな。あの塔に登ってさ、願いを叶えるんだ。こんな悲劇はなかったことにって。だから、悲しむのはそれが出来なかった時にしようって思う」
「葵……」
バベルの塔を見上げて、そんな話をしていると夕蘭がやって来た。
吹雪さんも一緒に、ビルの上から降ってくるように。
「お待たせお待たせ。いやあ、夕蘭ちゃんを見付けるのに手間取ってさ」
「だって、こんなに早くに呼ばれるなんて思ってなかったから。近くにあったお寺の中にいたよ」
夕蘭はいきなり寺に踏み込んだのか。
そこがもしも北軍浄化会のアジトだったら大変なことになってたぞ。
実際、信徒達はとんでもなく危険だったからな。



