東京ルミナスピラー

吹雪さんが買ってきたレーシングスーツは想像以上にピッタリで、少し関節部が動かしにくいものの、そこまで不自由は感じない。


トンファーを取り出して振り回してみても、動きを制限されている様子もなく、問題なく戦えそうだ。


ヘルメットを被ると視界は狭く感じるし、少し息苦しくなる。


母さんはこんなものを被って戦っていたのか。


それでとんでもない強さだって言うんだから信じられない。


でも……その不自由さが集中力を上げてくれるような気がする。


見えにくいからこそ見えて、聞こえにくいからこそ聞こえるというか。


そんな、今までにない集中力を発揮出来そうな気がする。


「へぇ。なるほど、あの日見た死神を思い出すな。葵があの人の息子というのもわかる話だ」


「舞桜は……母さんを見たことがあるのか?」


「ああ。一度だけな。お兄ちゃんにも死神にも憧れを抱いたものだ」


そうか。


舞桜も母さんを知っていたのか。


そういう話を全くしないから、そんなことを考えもしなかったよ。


「葵! 見て見て! 蘭子可愛い!?」


そんなことを考えていたら、奥の部屋からピチピチのライダースーツと、さっきの猫耳付きのヘルメットを装備した蘭子が走って来て、ポーズを取ったのだ。