東京ルミナスピラー

PBSを開いて、吹雪さんは次々と物を取り出してテーブルの上に置いて行く。


それは、ヘルメットとレーシングスーツやボディスーツ。


蘭子は猫耳のついたヘルメットを嬉しそうに抱えている。


「神は神でも、死神になってやるのさ。やつらが信仰していない神が大暴れってわけだ」


確かにこれなら顔は隠せるけど、だったらヘルメットだけでも良かったんじゃないかな。


なんて言ったら、せっかくの吹雪さんの盛り上がりに水を差すことになる。


ボディスーツまで買った理由はわかるんだ。


夢の中で見た母さんが、同じ格好をしていたから。


「吹雪! これ着ていいか? 蘭子、待てない!」


「わかったわかった、奥の部屋で着替えておいで。舞桜みたいにいきなり脱ぎ出すんじゃないよ?」


「わかった! 着替えてくる!」


もう待ち切れないという様子で、一式を持って奥の部屋に走って行った。


「この格好は……母さんですね」


「そういうこと。ま、私達も同じ格好するけど、葵がメインだからね。『紅い閃光』って呼ばれてるんだっけ? そんなどうでもいい二つ名捨てちまいな。あんたには『死神』の方が似合う。頼んだよ2代目」


ニッと歯を見えて笑って、俺の額をパチンと指で弾いた吹雪さん。


死神の2代目か。


そんな呼ばれ方をするなんて、想像してなかったな。