東京ルミナスピラー

話を聞いて、何となくだけどそのカラクリを理解した気がする。


たとえば俺がこの街に来た時は、まだ街が形成されて一日しか経っていなかった。


聖戦に率先して参加する人達もそれほど多くなく、街全体の平均レベルは低かったのだろう。


だから、どれだけ俺達が戦っても、恐らくは平均レベル程度にしかなかなかった。


でも今は、その平均レベル自体が高くなっているのだ。


レベルを上げるのも簡単になっている……ということだろう。


この街では、弱者の攻撃が強者にはノーダメージ。


ということはありえない。


たとえ子供が無邪気にナイフで刺して来ても、急所に当たればどんな人だって死ぬ。


……黒井のようなイレギュラーでなければ。


だから、遠距離武器を持っている人は光の壁付近で陣取って、一か八かの遠距離攻撃を行っているのだ。


当たって相手が死ねば、レベルが上がるから。


「で、まあ当然と言えば当然なんだけど、名鳥さんが追われててね。ここにはいないってわけ」


ボロボロになった拓真から手を離し、首を横に振った吹雪さんを見て、俺は一つ疑問が浮かんだ。


父さんは、灯を失ってショックを受けなかったのか?


姉さんの時は暴走して、誰彼構わず攻撃を仕掛けてくる殺戮マシーンのようだったのに。