東京ルミナスピラー

その姿は異様で、まるでOLのようなスーツを着ているのに、頭には禍々しい角があり、爪は地面に届きそうな程に伸びている。


この人が元は人間だったというのも頷ける話だ。


「ピヨ……ピヨピヨピヨ……」


ニヤニヤしながらそう言って、ゆっくりとこちらに向かって歩いてくる。


「ヘイヘイ! テメェがピヨって言ってんじゃねぇよ! ピヨってのは俺がこいつを小バカにする為に付けたあだ名なんだよ! 皆がバカにし出すとなんか虐めてるみたいで嫌だろうが! 俺は純粋にバカにしたいんだよ!」


一体どんな怒り方をしてるんだ杉村は!


いや、そうじゃない。


この鬼、喋ったぞ。


ポーンも喋ったけど、あれは変異種だからと思っていたのに。


「ピヨ」


「だから……のわっ!」


鬼が小さくそう呟いた次の瞬間。


素早く距離を詰めて、俺と杉村の首を同時に刈り取ろうとする爪の攻撃が放たれたのだ。


それに何とか反応して、上半身を反らして回避した杉村。


そして俺は……ギリギリのところで身を低くして、頭上を爪が通り過ぎるのを目で追うことが出来ていた。


「灯ちゃん! 私達もやるよ!」


「は、はい!」


その声が背後から聞こえ、高速の矢と風火輪が鬼に迫った。