俺の目の前で結城さんの腕が回転しながら地面に落ちる。


着地と同時に、結城さんの身体に目掛けて日本刀を斜めに振り上げる。


「ぐうっ! なめるなっ!」


だがそれは、左手に持った鞘に阻まれ、切断するにはには至らなかった。


それどころか、こんな状況でも結城さんが頭突きを放ち、俺の額に鈍い痛みと一瞬の目眩を引き起こす。


ゴツッと音が聞こえたのはこの直後だったが、俺が怯んだその一瞬の間に左手の鞘を日本刀に入れ替えた結城さん。


空中に鞘を置き去りにしながら、さっきの紫電一閃の続きで紫電連撃を放とうとしているのか!


「この瞬間が紫電連撃の弱点なんだよ!」


「なにっ!?」


俺のスピードはまだ生きている。


結城さんが日本刀を引き抜くのとほぼ同じ速度で、日本刀を結城さんの左手に当てた。


後は結城さんが左手を振り、その勢いで勝手に切断されるのだ。


手首から切断された腕を振り、俺の顔に血が掛かる。


その勢いのまま回転した結城さんを見ながら、俺は目に入った血を拭い、目を開けた時には。












「紫電一閃」










回転しながら回復したのだろう。


俺が血を拭う間に再生した腕が、日本刀を鞘から引き抜いて……俺の腹部を上下に斬り裂いたのだ。