「こりゃあ……北条の負けだな。動きを読まれてるだけじゃなく、経験の差で昴に大きく引き離されてる。今、相当苦しいはずだぜ。もがいても勝ちが見えないってのはよ」
「いいえ、葵は勝ちます。伊良さんは知らないと思いますが、その程度で音を上げるほどやわな特訓をした覚えはありません。力の差も、経験の差も、全て跳ね除けて勝ちを掴み取ってこそ『運命の少年』です!」
「……随分北条に肩入れするじゃねぇか月影。まあ、ここからどう逆転するか見せてもらうとするぜ」
そんな会話も雨音に掻き消されるほどに、雨足が強くなって来た。
この雨のおかげで、結城さんの「紫電招雷閃」という技が使えないと言っていたけど、この雨のせいで俺の動きが丸わかりになっているとも言える。
どれだけ空中を飛び回っても、弾いた雨の跡が残っているから、その痕跡の先には俺がいるということだ。
だったら結城さんを蹴るか? 少ない回数で地面に足をつくか?
それこそ結城さんが待ち構えているに違いない。
「だったら……あの方法しかないよな」
そう呟いて、軽く身体を二度、上下に揺すった俺は……雨を弾きながら結城さんに接近した。
「いいえ、葵は勝ちます。伊良さんは知らないと思いますが、その程度で音を上げるほどやわな特訓をした覚えはありません。力の差も、経験の差も、全て跳ね除けて勝ちを掴み取ってこそ『運命の少年』です!」
「……随分北条に肩入れするじゃねぇか月影。まあ、ここからどう逆転するか見せてもらうとするぜ」
そんな会話も雨音に掻き消されるほどに、雨足が強くなって来た。
この雨のおかげで、結城さんの「紫電招雷閃」という技が使えないと言っていたけど、この雨のせいで俺の動きが丸わかりになっているとも言える。
どれだけ空中を飛び回っても、弾いた雨の跡が残っているから、その痕跡の先には俺がいるということだ。
だったら結城さんを蹴るか? 少ない回数で地面に足をつくか?
それこそ結城さんが待ち構えているに違いない。
「だったら……あの方法しかないよな」
そう呟いて、軽く身体を二度、上下に揺すった俺は……雨を弾きながら結城さんに接近した。



