東京ルミナスピラー

伊良さんのその提案は夕蘭だけじゃなく、俺にとっても魅力的な話だった。


あのアースクラッシュとグラビティブレイクを実際に受けたら、どれくらいのダメージがあるのかとか、そもそもハンマーの攻撃だけでもかなり強いと思うから。


「死ぬかもしれない……か。うん、私やるよ。このままだと待ってるだけになるし、友里がいないと弱いなんて言われたら、死んだ友里に顔向けできないしね」


友里が死んだと知っても、夕蘭はただ悲しむだけではなく前に進もうとしている。


夕蘭が強いのか……それとも、惨めな俺の姿を近くで見ていたから、こうはならないと思ったのかはわからない。


それでも、落ち込まないでいてくれたのは、やはり夕蘭が強いからなのだろう。


「じゃあ、俺も一緒に特訓を……」


「お前はダメだ。お前にゃ力を付けるより他にやることがある。だから、お前は月影とマスターに任せる」


……伊良さんくらい強い人に特訓を受けるならなんとなくその過酷さもわかるけど、月影と大塚さんの特訓なんてどんなのかが想像できないから逆に怖い。


「わかりました。徹底的に鍛えましょう。何が起こっても動じないように。その扉を開ければ、きっと葵はもっと強くなります」


月影のその冷たい視線は、俺の背筋に悪寒を走らせた。