東京ルミナスピラー

「俺達だけって、俺が塔の中で戦ったら崩れちまうぞ。嫌だろ? あの頂上に唯一の『希望』があるのに、そこに届く道が無くなるってのはよ」


月影に続いて、伊良が冗談っぽくそう言ったが、冗談に聞こえないんだよな。


伊良のスキルでは本当に塔を破壊しかねない。


「我々老人がしゃしゃる必要はありません。若者が存分に力を発揮出来るように、裏方に回るべきなんですよ」


「私を老人扱いしないでください。私はまだ若い人には負けませんから」


「月影さん。そういう発言がもう老じ……い、いえ、なんでもありません!」


話している途中で月影の殺気に気付いたのか、慌てて訂正した千桜さん。


流石は一流の密偵。


引き際というのを知っている。


「若者……かぁ。でも、私じゃ無理だね。皆と比べたら弱いし、きっと足を引っ張っちゃうね」


この場にいるのは、この街でもかなりの実力者達だ。


夕蘭が何を感じ取ってしまったのかは、手に取るようにわかる。


普通より強いや、強い人に一歩劣る程度では、全く話にならないくらいの力の差があるのだ。


「……嬢ちゃんが弱音を吐かないなら、昴が復活するまで俺が特訓してやるぜ? まあ、死んでも知らんけどな」