東京ルミナスピラー

「そうですか。東軍の黒井を倒した後、バベルの塔に向かうのですね。いよいよ……ということですか」


「ああ、終わりのねぇ物語なんてものは存在しねぇ。この街の物語はいよいよ大詰めってことだ。永遠に続く物語なんて面白くも何ともねえ。ただの惰性だからな。ここらでビシッと終わらせるのが、俺達の役目だろ」


伊良さんの焼き鳥を一本もらって、それを食べながら色んなことを考える。


この街に入った時、俺の隣には灯と宗司がいた。


それから多くの人と仲間になり、別れがあった。


首から下がる、灯の指輪を指で撫でながらぼんやりとバベルの塔を見上げる。


「あなたの道を進めば、父親の名鳥順一や、友人の神凪宗司とも刃を交えることになるでしょう。ですが突き進みなさい。退いて得られる物など何もありません。人が作った道を歩くのか、あなた自身が道を作るのか、もう答えは出ているはずです」


男だけの宴会に、か細い女性の声が響いた。


振り返って見ると、立ち姿も凛とした月影の姿。


「よう月影。お前も飲むか? ビールしかないけどよ」


豪快な笑顔で、月影に向かって缶ビールを掲げた伊良。


その月影の表情から、「結構です」とか言われて愚痴のひとつも言われそうな気がする。