持参したビールと焼き鳥を口に運びながら、ぼんやりとバベルの塔を見上げる伊良。
何か考えていることがあるのか、目を細めて懐かしんでいるようにも思える。
「黒井……か。俺はこの街が生まれる半年ほど前から、毎日悪夢を見たよ。南軍の街がよ、崩れ落ちちまう夢だ。目の前で大勢の仲間が落ちて行ったよ。底のない穴に。遠い遠い昔の話だけどよ、まさか、またこの街に来るとは思ってなかったぜ」
「いきなりなんですか? 黒井が南軍を崩落させた時のことを言ってるんですか? 確かにあれは大変だったでしょうけど」
話には何度も出ているけれど、俺は「バベル」も「ヴァルハラ」も詳しくは知らないはず。
なのに、目覚めてからうっすらとだがその記憶がある。
これは……母さんの記憶なのか。
「……やっぱりか。PBSの故障かと思ったが、お前にゃ『ヴァルハラ』の記憶があるのか? 『死神』……北条恵梨香の息子だって話は聞いたよ。お前はきっと、死神の記憶を受け継いだんだろうな。お前の武器が、記憶を呼び起こしたんだよ」
伊良に言われて、トンファーを取り出した俺はそれを眺めた。
ソウルウェポンは人智を超えた力がある。
それは、千桜さんやタケさんが若返っていることからもわかるだろう。
何か考えていることがあるのか、目を細めて懐かしんでいるようにも思える。
「黒井……か。俺はこの街が生まれる半年ほど前から、毎日悪夢を見たよ。南軍の街がよ、崩れ落ちちまう夢だ。目の前で大勢の仲間が落ちて行ったよ。底のない穴に。遠い遠い昔の話だけどよ、まさか、またこの街に来るとは思ってなかったぜ」
「いきなりなんですか? 黒井が南軍を崩落させた時のことを言ってるんですか? 確かにあれは大変だったでしょうけど」
話には何度も出ているけれど、俺は「バベル」も「ヴァルハラ」も詳しくは知らないはず。
なのに、目覚めてからうっすらとだがその記憶がある。
これは……母さんの記憶なのか。
「……やっぱりか。PBSの故障かと思ったが、お前にゃ『ヴァルハラ』の記憶があるのか? 『死神』……北条恵梨香の息子だって話は聞いたよ。お前はきっと、死神の記憶を受け継いだんだろうな。お前の武器が、記憶を呼び起こしたんだよ」
伊良に言われて、トンファーを取り出した俺はそれを眺めた。
ソウルウェポンは人智を超えた力がある。
それは、千桜さんやタケさんが若返っていることからもわかるだろう。



