東京ルミナスピラー

なんて、人を殺すのを躊躇っている俺が言えることじゃないけど、ここで腐ってても始まらない。


父さんが北軍にいるなら、さっさと行きたかったけれど……この光の壁は俺が想像しているよりもずっと厚いみたいだ。


「……ピヨのくせに言うじゃねえかよ。だったら先輩の俺がうだうだ言ってる場合じゃねぇな。よし、舞美ちゃん! 少し後退して北軍のやつらを掃除しようぜ」


バシッと膝を叩いて、吹っ切れたように杉村が立ち上がる。


思考回路が単純なのか、こういう時は変に引きずらなくて助かる。


「そ、そうだね。キングを破壊されちゃ困るしね」


舞美さんも杉村の言葉で立ち上がり、大きく深呼吸をして秋葉原の方に目を向けた。


「……あ、あの。舞美さん、キングってなんですか?」


さも当然のように、会話の中に出て来たその言葉に、灯が不思議そうに尋ねた。


俺達はまだ、PBSの機能も、この街の事も何も知らないから、当たり前のように言われてもよくわからないんだよな。


「ああ、キングは……」


「おっと、そこまでだ舞美ちゃん。敵が戻ってきたようだぜ。知りたきゃ生き残って、寝る前にでもヘルプ機能を確認するんだな」


秋葉原の方から、腕と影が青い人達が走ってくる。


それに気付いた杉村がロングソードを抜いて、その方向に歩き出した。